ぐるやま日誌

”発達障害”と言われて、まぁ 治らないならイイ付き合いしてくしかないよなぁ。と調べ始めた。

アスペルガーについて

自閉症」とか「アスペルガーASD)」。
聞いたことあるけど
何が違うのか?どういう関係なのか?
という方も多いですよね。
自分自身も まだうまく系統立てられていません。

でもとりあえず、この2つの疾患は
自閉症スペクトグラム症」の中に含まれます。
コレは「DSM-5」に基づいて登場した呼び方で、
スペクトグラムとは「連続体」のこと。
非定型/定型発達のグレーゾーンがあるように、
それぞれの障害や症候群のあいだにもボーダーがあると言います。
なので「自閉の連続体」というのは発達のつまずきを細分化せず
1つの連続的なモノとしてとらえます!という考え方です。

そして、最近耳にすることが増えた「アスペルガー」。

①対人関係(社会性)の障害
②コミュニケーションの障害
③興味や習慣の繰り返し(強すぎるこだわり)

 が特徴というところは狭義の「自閉症」と同じです。
違いは「知的発達や言語習得の遅れが無いこと」だとか。

以前は、今でいう自閉症を「重度自閉症」と呼び
アスペルガーを「軽度自閉症」と呼んでいたそうです。
これだと、例えばアスペルガーの人は
対人関係にかなりの困難を抱えていたとしても
病名に「軽度」と付いてしまうことになりますね。
そんなこともあり、名称はだんだん変わってきています。

さて、診断基準や病名の話をしてもイメージが湧かないので
①②の社会性やコミュニケーションの困難とは?
というコトについて例を挙げてみます。

空気が読めないことを揶揄する時などに
ネット上や若者の間で「アスペ」と言われたりしますが、
多くのアスペルガーさんたちは
前後関係や周囲の様子から現状を推測することが苦手なようです。
たしかに自分も知能検査をやった時に
「セリフの無い4つの場面を順番に並べてください」
という項目の結果がメチャクチャだったのを覚えています。
(知能検査自体に言及するのはまたの機会にしますが)

そのため、大勢が「言わなくても理解できている」場でも
自分だけ状況がよく分からず口頭で訪ねてしまったり、
なにか場にそぐわないことを指摘された時に
「言われなかったから分かりませんでした」
と反論してトラブルになったりするようです。

そして、「暗黙の了解」や「空気」が感じづらいために
冗談であることを理解できず本気にしてしまったり、
相手の過大な要求を普通のことと思い受け入れてしまったり、
プレゼントの相場を知らず「重い」贈り物をしてしまったり。
トラブルは絶えません(ノД`)・゜・。

たぶん、指摘するにできず周囲が黙っている場合もあるので
自分が認識している以上に失敗しているはずです。
やれやれ(´・ω・`)

そのほかにも、周囲が重視している本筋でなく
ズレたところが気になってしまうようです。
それが心の中で起きやすい人は考えがまとめられず、
一見フリーズしたり聴いていないように見える時も。
また、逆に考えていることを口に出せる人の場合
1つ話すと端々の瑣末な言葉に集中してしまうのか
話は散らかりまくります。

そして「大体」「少ししたら」のような
基準が不明確な表現の理解が難しいのです。
一般的な塩梅とかなりズレたことをしてしまうか
逆に
「少しというと何分後なんですか」
「大体って全体数の何割くらいですか」
と細かく訊きすぎて「少し自分で考えろ」と叱られたり。
いや、そういいますけどね。自分で考えると結局
「なんでそうなったの」
って怒られちゃうから事前に確認したいんですけど…。

なんてことが(自分の場合は)よくあります。

そして③の強すぎるこだわりですが、
自分が決めた方法や方針について柔軟に変更できず、
周囲の意見を聞き入れられない「頑固すぎる」人。
そして、突然方法や予定を変更されると混乱に陥って
フリーズしてしまう「変化に弱すぎる」人。
毎回、同じ時間に 同じ順序で 同じようにしなければ
どうにも気が済まない「几帳面すぎる」人。
というように、根本が同じでも個人の印象は様々です。

その他にもいろいろな特徴が上げられていますが、
まとめられている資料を見てすら
「考えを言葉にうまくまとめて相手に伝達できない」
と思いきや「話続けて相手に口を挟ませない」と来ます。
どっちやねん!
でもどっちもアスペルガーの特徴なんです!

自分について思い返してみても「どっちやねん」は多く、
聴覚過敏を発揮して
「向こうのデスクの〇〇さんの胸ポケットでバイブ鳴ってます」
と、本人すら周囲の話声で気づかなかった着信を察知するくせに
いざ電話や人の話を聞き取ろうとすると聞き間違いが多発!
内容を理解できていないこともありました。
「山根さん、耳 良いの?悪いの?」
と、たまに笑われます。

そして、前の記事でお話ししたようにADHDがあるので
非常に忘れっぽく、うっかりしているイメージですが
文字の情報はかなり覚えていられるので
「この方は以前奥さんと来てこういうエピソードがあった方」
というのを名前を聞けばスッと思い出せたりします。
※お客さんの家族構成や様子は文書で記録されるような職場にいます
「記憶力抜群なのに、なんで持ち物は覚えられないのかなぁ」
と言われたりします(´・ω・`)
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この傾向は自分の知能テストの結果にも出ていて、
情報を処理する能力は「聴覚より視覚優位」だと言われました。

勿論逆の方も居て、そういう方は逆に文字では考えが混乱したり
聴覚的な刺激を短期記憶しておくことが得意だったりします。
(例:空で言われた電話番号を覚えておけるなど)

このように、病名は同じでも特徴は様々。
「この病気だからこういう対応を」が無いので
本人も周りも 特徴を捉えるまで大変だと思います。
周りしか気づけない「不自然さ」もありますし
本人しか知らない「混乱や大変さ」があるので、
とりあえず それを伝えあえる環境が増えたらなと思っています。

アスペルガーと診断を受けることは障害者になること」
と診断をマイナスに捉える人が多いとは思いますが、
自分の場合はこの診断が職場と話せるきっかけでした。
診断を受ける受けないは自分で選んでいいことだと思うので、
もし診断を受けることについて迷っている方が居たら
(自分の感情はもちろん大切にしながらですが)
制度や環境的に明確な立ち位置ができるといったメリットも
頭の片隅に置いておいていただければと思ったりします。

そういえば、最近は「アスペルガー」も定着してきましたが
アスペルガーは「高次脳自閉症」と呼ばれた時もありました。
高次脳自閉症といえば、自分には好きな本があります。
ちょうど10年ほど前に発売されました。 

僕の妻はエイリアン―「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 (新潮文庫)

僕の妻はエイリアン―「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 (新潮文庫)

 

今となっては精神科クリニックに通う身ですが、
実は自分は、大学で発達心理の勉強をしていました。
(まぁ心理学と精神医学は また違いますが)
その当時、興味を持って買った本です。
医療的なことでなく、当事者夫婦によって
ありのままの葛藤や新鮮な毎日が記されています。


こんな感じで、
診断や それによって分かった特徴を知って
当人と周りの段差が埋まったらいいな。
と思ったりするわけです。